2023/08/29 コラム
【交通事故コラム】弁護士に相談すべきタイミングについて
保険会社の商品として「弁護士費用特約」が登場して以降、交通事故事件においては、弁護士に依頼しやすい環境となりました。
しかし、どのタイミングで弁護士に相談すればいいのかが、よくわからないという方もいらっしゃると思います。
様々な法律事務所のコラム記事でこのテーマが解説されていますが、私の経験を踏まえ、私なりの視点で、相談すべきタイミングについて解説したいと思います。
1 保険会社から賠償金額の提示があった段階【重要】
保険会社から賠償金額の提示があったタイミングでの相談は必須だと思います。
特にケガをされている事案はそうなのですが、提示額からさらに増額が見込める事案が多いためです。
事案によっては、単純な交渉をするだけでかなりの金額の増額が見込めるケースもありますので、保険会社の提示をそのまま受け入れてしまうと損をしてしまうことがあります。
相手保険から賠償金額の提示があった場合には、弁護士に相談をして、個々の損害額、過失割合などが妥当かチェックをしてもらうことで損を防ぐことができます。
2 事故直後
事故直後の相談についてもおすすめをしております。
交通事故は保険制度という特殊な制度が関係するため、独自の流れで解決まで進みますし、わかりにくいこともたくさんあります。
解決までの流れであったり、スケジュール感などを聞いておくと、非常に有益だと思います。
また、裁判例や書籍の集積によって、ルール形成が進んでいる分野でもありますので、知識も要求されます。
そのため、知っておいた方がいいこと、やっておいた方がいいことがありますので、弁護士に相談することで、こうした知識を得ることもできます。
ただ、一番のメリットは、「気を付けた方がいいこと」を知ることができる点にあると思います。
治療の進め方であったり、車の修理、代車の利用等、いろんな場面で注意すべきことがあるのですが、各事案に即した注意点を弁護士に相談すれば、確認することができます。
被害者が不測の損害を被った事案については、機会があれば、別記事で解説できればと思います。
3 治療終了時
治療終了時(症状固定時)については一つの相談タイミングです。
後遺障害手続きを取るかどうか、取る場合にどのように進めればいいかなど、弁護士からアドバイスを受けることは有益です。
また、保険会社から治療費の支払を打ち切られる場合もタイミングです。
治療を続けるのか、治療に区切りをつけるのか(後遺障害認定に進むのか)など、弁護士に相談しながら検討することは有益かと思います。
高松丸亀町法律事務所
弁護士 石濱 貴文